静かな心を追求する

セルフ2の『自然に上手くなる』能力の秘密は、『物を知覚する』能力と密接な関係がある。
この知覚能力こそ人間の活動の原点だ。

意識的にフォームを(外側から)変えようとしたのがこれまでの方法。
インナーゲームでは、『もっと良く見る』『もっと感じる』ことで知覚能力を高め(内側から)自然に上達する能力をより発揮させようとするわけだ。

なぜ知覚能力が大切なのだろうか。

セルフ2は見たもの、体で感じたもの、自分自身の体の動きの感じ、それら全てをデータとして採集。
どんな感じで打てば、どんな結果になるかを、その無数をデータをもとに、正確に判断できる能力がある。

セルフ2はとにかく素晴らしい。
しかし、肝心なのはそのデータの質だ。
いかに素晴らしい記憶装置を持っていても、入ってくるデータが不鮮明では、正しい答えが出てこない。
全身の筋肉に伝えれる指令が、ぼやけて、ミスを多いものになる。
正確で、緻密なデータを採集することこそ、セルフ2の自然上達能力を最大限に発揮させる前提だ。
そのために、『今、目の前で何が起きたのか』、『自分の体がどんな動きをしたのか』をしっかり知覚することが重要。
見る、感じる能力を深めなければならない。

よりよく見て、よく感じるためにはセルフ1は邪魔。
雑念が入ればデータにフィルターがかけられる。鮮明度が落ちる。
(たとえ、やるぞ!という前向きの意志であってもだ)

静かな心が求められる。
静かな心とはセルフ1の介入しない、無色透明な状態なのだ。
あらゆるものが、あるがままに見え、データとして残される。
自分の身体の動きが、ごく微妙な部分まではっきりと分かる。
正確なデータが、正しい指令を筋肉に送る結果となる。
飛躍的に上達速度が早まる。

もうお分かりだと思うが、よく見る、よく感じることだけが、インナーゲームの上達の決め手となる。
すなわち、この新しい発想のテニスに、従来のコーチはいらない。
自分自身の経験が、先生なのだ。

一人でに上手くなるテニスとは、このことを指している。

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