ボールをよく見る

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ボールをよく見るとは、自分の注意力を、目で見えるボールの姿に絞り込むことだ。
目で見える対象物に注意を絞り込むのに最適な方法は、微妙で見えにくいものを選ぶのが一番。
例えば、【ボールの縫い目】だ。

ボールを見ることは簡単だが、ボールの縫い目はどうだろうか。容易ではない。
ボールが回転しながら向かってくる時、縫い目が作り出す多様なパターンがある。
ボールの縫い目に注意を集中すると、興味深い現象が起こる。
縫い目に焦点を合わせようとすれば、必然的に打つ瞬間までボールを見続けるようになるし、
以前よりもっと早い時点から、注意を集中するようになる。

相手のラケットから打ち放たれ自分が打つまで、ボールへ常に注意が注がれる。
その結果、ボールがいつもよりずっと大きく見える(感じられる)ようになる。

縫い目を注視するメリットは他にもある。
回転するボールはあまりにも微妙で見えにくいから、注意力自体が拡大される。
心は、そのパターンに気を取られて、『さあ!頑張るんだ!』と、力むことを忘れがちになる。
結果として、縫い目を見ることに占領された心は、肉体の自然な動きを妨害しなくなる。

縫い目は、常に、【今、ここに】ある対象物だ。
それも大きな利点だ。
心が縫い目に焦点を合わせている限り、過去や未来に心が飛ぶことはない。

この【ボールの縫い目を見る】練習によって、テニスプレーヤーはさらに深い集中力を体験することができる。

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